活動報告

令和3年九州の自立を考える会10大ニュース

2021年12月28日 お知らせ

 当会の成長戦略その他当会の取組や会員と関係の深い令和3年の10大ニュースを選定しました(順不同)。
 

第1 新型コロナウイルス感染症との闘いが続く
 昨年来、世界中で猛威を振るい続ける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、わが国でも、今年もまた、第3波、第4波(春)、第5波(夏)と繰り返し多くの感染者を出し続けてきました。ワクチン接種の進捗もあり、今は少し落ち着きを見せていますが、今後の動向を注視し、迅速かつ適切な対応を行っていく必要があります。
 また、目前の新型コロナウイルス感染症対策だけではなく、コロナ変異株その他新たな人獣共通感染症の発生も危惧される将来を見据えて、人獣共通感染症に強い社会を築いていかなければなりません。
 

第2 ワンヘルス実践の取組が大きく進展
 昨年の10大ニュースでは、全国初で世界でも類例を見ない取組である「福岡県ワンヘルス推進基本条例」の制定を取り上げましたが、この条例が本年1月に全面施行され、人獣共通感染症対策その他人と動物と環境の健康(健全性)を一体的に守る「ワンヘルス」の理念を実践する取組が大きく進展しました。
 福岡国際会議場における「福岡県One Health国際フォーラム2021」の開催(1月)に始まり、4月に行われた福岡県知事選挙で当選された服部誠太郎新福岡県知事は、公約とされた「3つの挑戦」の一つに「ワンヘルスの推進」を掲げ、就任後、力強いリーダーシップとスピード感で、その実現に取り組まれています。
 また、条例に基づき、県、国の機関、市町村、医師、獣医師、医療関係団体、研究者・機関等による協議・検討の場として「福岡県ワンヘルス推進協議会」が設置され、令和3年度末を目途として、「福岡県ワンヘルス推進行動計画」の策定に向けた取組も進んでいます。さらに、11月にはワンヘルスフェスティバル2021 in 筑後が筑後広域公園において大盛況の下に開催され、当会の藏内 勇夫 会長の基調講演やYoutubeが大ヒットのミニチュアダックスフンド「自粛犬花子」、花子の育ての親のダンサーISOPPさんによるトークショーが行われました。
 

第3 「福岡県日田彦山線沿線地域振興計画」策定される
 平成29年7月九州北部豪雨で被災したJR日田彦山線沿線地域の持続的な発展を目指すために、昨年当会が策定し、関係者に対し提言しました「日田彦山線沿線地域振興基本構想」に基づき、福岡県は、東峰村及び添田町とともにBRTによる地域公共交通の維持を基本とした「福岡県日田彦山線沿線地域振興計画」を策定(2月)しました。
 そこで、当会は、この振興計画を実現していくためのヒントとなる先進的なアイデアを県及び沿線自治体と共有するため、「日田彦山線沿線地域振興に係る勉強会」(Web)を5月24日に開催しました。
 その後、この振興計画に基づき、まず、BRT利用促進のための2次交通に関する調査や添田駅・彦山駅の周辺整備、観光拠点創出に向けた英彦山宿坊跡の整備、英彦山エリアへの海外プロダクション等のロケーション誘致調査等のための予算が、9月補正で措置されました。
 

第4 東京オリンピック・パラリンピックで九州のアスリートが活躍
 東京2020オリンピック・パラリンピックが、1年遅れとなりましたが、コロナ禍による制約を受けながらも、無事、盛大に開催されました。
 日本選手が多くのメダルを獲得する中、本県ゆかりの選手たちも大活躍でした。オリンピック柔道の素根輝選手やパラリンピック女子マラソンの道下美里選手をはじめ、オリンピックで10名、パラリンピックで6名の選手がメダルを獲得しました。さらに特筆すべきは、当会が九州の成長戦略の一つとする「スポーツ・スポーツ産業の振興」に関する提言の趣旨に沿った取組として会報誌でも度々その功績を取り上げてきた「福岡県タレント発掘事業」で育成された子供たちの中から3名のオリンピアンが誕生したことです。
 これからも、当会の提言で実現した「福岡県スポーツ推進基金」が活用され、福岡県のスポーツ振興の取組が九州をリードし、九州各県や九州の産業界全体の取組と成果に繋がっていくことを期待したいと思います。
 

第5 2021世界体操・新体操選手権北九州大会がコロナ禍を克服し、成功
 当会は、スポーツ・スポーツ産業の振興に向けて、世界的スポーツ大会の誘致・開催を提言し、支援してきましたが、その成果の一つとして誘致に成功していた「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」が開催されました。
 しかも、無観客ではなく収容率100%、約2万6千名もの観客を迎え、ウイズコロナのスポーツ大会開催の世界的モデルとされる大会となりました。
 

第6 九州北部交通インフラの整備進む
 5月、苅田若久高架橋が開通し、東九州自動車道の苅田北九州空港ICと北九州空港が直結しました。これで、「北九州空港へのアクセス時間を短縮し、福岡空港と北九州空港の一体的運用を促進するため両空港を高速道路で直結すべきである」との当会の提言が北九州空港側で実現したことになります。
 なお、福岡空港と福岡都市高速道路の直結についても2029年度の開通に向けて計画が着実に進捗しています。
 また、当会は、「九州は縦軸に比べて、横軸の時間距離が長いことから、有明海沿岸道路などの幹線道路の早期整備が必要である」と政策提言し、福岡県議会、佐賀県議会及び熊本県議会と連携し、有明海沿岸地域のインフラ整備等に取り組んでいますが、3月、有明海沿岸道路の福岡県区間が全線開通しました。
 当会の提言は、佐賀県区間及び熊本県区間を含めた有明海沿岸道路の全線が繋がり、その機能と効果が十分に発揮されてこそ実現します。今後とも、関係議会と協力し、整備促進に取り組んでまいります。
 

第7 「新福岡県立美術館基本計画」策定される
 大濠公園南側を建設地とし、令和11年度開館を目指す「新福岡県立美術館」の具体的なコンセプト、機能や役割、施設整備の方針、運営のあり方等を明らかにした「新福岡県立美術館基本計画」が11月に策定されました。
 この文化施設が完成すれば、他の施設との相乗効果で大濠公園の価値を更に高め、当会が提言してきた「福岡の顔」となる「国際レベルのセントラルパーク」づくりが大きく前進することになります。
 

第8 5年連続の豪雨災害発生
 8月中旬に九州北部で降り続いた記録的大雨により、県南地域を中心に、道路や河川、農作物などに大きな被害が発生し、県のまとめでは、家屋被害が3,364件、道路被害が172件、河川被害が117件、土砂災害が143件であり、200億円を超える被害額となりました。
 九州では、平成29年の九州北部豪雨以来5年連続で「大雨特別警報」が発令され、本会が提言してきた「大規模災害に備えた基幹的広域防災拠点の整備」の必要性が益々高まっています。
 

第9 唐池恒二当会理事が(一社)九州観光推進機構会長に就任
 当会の理事で㈱JR九州会長の唐池恒二氏が、当会が提言する九州の成長戦略の柱の一つである「観光振興」において九州各県をリードする司令塔組織、「一般社団法人九州観光振興機構」の会長に就任されました。
 今後、当会は、同機構との緊密な連携の下に、ポストコロナ時代におけるインバウンド観光のあり方等を調査・研究し、「観光王国九州」の実現に取り組んでまいります。
 

第10 岸田内閣誕生。ポストコロナ時代に向けた新しい政権運営が始まる
 岸田文雄自由民主党総裁が第100代・第101代首相に就任され、いよいよ岸田政権による我が国のポストコロナ時代に向けた新たなかじ取りが始まりました。
総裁選前の9月、当会の藏内勇夫会長は、岸田現首相の要望を受け、(公社)日本獣医師会長として「ワンヘルス」の必要性についてご説明しており、「ワンヘルス」に関する理解は、現政権に広まっています。
 当会は、「ワンヘルス」は単なる感染症対策に留まらず、持続可能な社会にとって不可欠な「健康」という社会基盤、産業基盤となる価値の実現を目指すものであり、わが国の新たな成長戦略になり得るものであることを、今後も、政府に対し訴えてまいります。
 

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