広域行政セミナーを開催しました
2012年06月14日 セミナー
平成24年6月12日、福岡市のホテルレガロ福岡で、「広域行政セミナー」を開催しました。
当日は、220名の方々にご参加いただきました。
藏内勇夫会長は、「国の出先機関改革の雲行きが大変怪しくなっている。これまで九州地方知事会が『九州広域行政機構』を構想し、九州各県議会議長会でも国の出先機関原則廃止などについて国に要望し、また、議長会と知事会でこれらについて意見交換会も行ってきた。今回の改革は、明治維新に匹敵するものである。試行錯誤し、失敗を恐れず、果敢に挑戦していくことが肝要である。地方が立ち上がり、国を救うという気概のもとに、我々は活動を続けていかなくてはならない。」とあいさつしました。
来賓として、九州各県議会議長会 松本國寛会長(福岡県議会議長)から、「九州議長会においては、4月に『国の出先機関原則廃止と広域行政実施体制づくりについて』国に要請活動を行うなど、その進展に力を尽くしてきたが、中央省庁の抵抗も強く、政治主導が十分機能していないことから、なかなか前に進んでいない。九州議長会としても、いろいろな課題についてしっかり議論を深めるとともに、九州地方知事会や市町村の皆さんとも連携を密にしていきたい」とのあいさつをいただきました。
福岡県 小川洋知事からは、「国の出先機関改革等を通じて、『地方のことは地方で決める』体制を実現するためには、我々一人ひとりの理解、思いと覚悟が必要である。今後とも広域行政の推進のため、皆様の御指導・御理解をお願いしたい」とのあいさつをいただきました。
講演では、九州大学産学連携センター 谷口博文教授は、「国の出先機関改革と九州における道州制議論の行方」と題し、「九州は、自分でマネジメントできて、自分で政策を決めることができれば、今、成長力のある国々にも対抗できるポテンシャルを十分に持っている。地方の現場には知恵がある。その知恵を生かすために企画立案機能を国から地方へ移すべきであり、出来る分野、出来る地域から始めればよい」と述べられるとともに、近時の国の出先機関改革を詳細に説明していただきました。
講演後の質疑では、吉村敏男副会長が「出先機関の事務移譲に関する法律案は、2010年のアクションプランの内容と似ても似つかない内容である。かなり不十分でもこのまま法律化すべきか、それとももう一度仕切り直しするべきか」と質問されました。
これに対し、谷口教授は、「これから政治の世界でどういうことが起こるか、ということに密接に関係するので、一義的に申し上げるのは難しいが、『もう少しよいものを作るまで待つ』のと、『少しでも推進し、動いておく』ということでは、後者の意味は大きいと思う」と述べられました。
閉会にあたり、新任の原口剣生 理事兼会計責任者(九州各県議会議長会前会長)は、「これまで、九州各県議会議長会では、『九州広域行政機構』について論議し、権限・財源移譲について内閣府、各政党にも陳情してきた。議長会にも様々な意見はあるが、この論議をさらに進めていく。自立の会も『九州は一つ』で頑張っていきたい」とあいさつしました。
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