九州各県議会議長会第2回広域行政懇話会が開催されました
2012年07月30日 お知らせ
7月17日、福岡県議会棟において、九州各県議会議長会 第2回広域行政懇話会が開催されました。
当日は、沖縄県を除く九州各県の委員24名の外、九州各県議会議長会の松本國寛会長、前議長会会長の原口剣生福岡県議会議員が出席され、また講師として大分県総務部の島田勝則審議監(九州地方知事会事務局)、オブザーバーとして九州大学産学連携センターの谷口博文教授が招かれました。
松本國寛議長会会長は、「国の出先機関改革は、ようやく法律案が示されましたが、予定していた閣議決定もできずいまだ法案提出に至っておりません。九州議長会では、この間、アクション・プランの遵守を求めて国に要請活動を行い、また九州地方知事会と意見交換を行うなど、九州における議論を前に進めるよう取り組んできました。先週、福岡県の小川知事と会談しましたが、小川知事や広瀬大分県知事(九州地方知事会会長)は延長された会期内での法案提出を諦めておらず、また、今回の法案で九州地方知事会がやりたいことは十分やれると評価しているとのことです。是非、この懇話会で議論を深めていただき、真の地方分権改革に向けて、議長会のこれまでの取組みをしっかりと継続してまいりたい」と挨拶されました。
藏内勇夫座長(本会会長)は、「いまだ閣議決定がなされない、国会にも提案がされない。国会は9月8日まで延長されましたが、私どもは何としてでもこの国会で、広域行政を一歩前進させなければならないという思いです。我々は何かをやろうとするときに、必ずできない話を耳にしますが、ノーベル賞を受賞された方々が等しくおっしゃるのは、何かをやろうとするときには何が必要であるか、という実行プランを考え抜くことが一番大事であると聞きました。まさしく今のこの現状がそうでしょう。国が何をするか、ただ手をこまねいて見ておるだけでは何の進化もないわけですので、私どもは九州知事会、九州各県議長会が一体となって、これからの日本をつくっていく、その先頭を九州が切るんだという気概のもとに、この懇話会でいろいろな議論を深め、前進をさせていかなければならない。」と挨拶しました。
その後、事務局から、九州地方知事会が進める「九州広域行政機構(仮称)」を巡る経緯の説明があり、次に、大分県の島田勝則審議監から国の出先機関改革に関する法律案の内容についての説明の後、委員の皆さんによる意見交換が行われました。
主な意見は次のとおりです。
・地方分権の推進は必要であるが、中味があまり協議されないなかで先へ先へ進められるようでは簡単に乗れないというのが県内における多くの意見。
・議員数の配分では人口が少ないところが不利になるのではないか。
・法案には広域連合からの脱退スキームが書かれていないし拒否権があるのかどうかも分からない。何かしら自県に有利となるようなことが担保されないなかでの賛成はしかねる。
・東九州のインフラ整備が遅れていることについて、九州が一体となって残された地域を何とかしようと言ってくれていることについては期待するが、実際にそうなったときにはやはり地元の利益が優先されるのではないか。そうなると今の中央集権のミニチュア版であり、もう一ヶ所陳情先が増えただけということにもなりかねない。
・財源問題については、一括交付金への不信感から特に敏感になっている。
・将来の九州ビジョンの議論ではなく、組織論だけが先行していることが不安。
・議長会と知事会との意見交換も行われ、法案の方向性については確認されているのであるから、問題を整理して議論を前に進めていくべきではないか。第二次の市町村合併につながるのではとの市町村の懸念も分かるが、そこがネックとなって議論が前進しないことが問題。
・法案が提出されようかとしているいま、議員の選出をどうするか(数や選出方法等)、議会の場所をどうするかなどを早急に議論していくべきである。
・市町村の不安については、知事会がもう少し丁寧に説明すべきではなかったか。
最後に、懇話会の今後の進め方について、さらに頻繁に会議を開催し議論を深めていくため、幹事会等の組織を設置することが確認されました。
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