活動報告

広域行政セミナー(第2回)を開催しました

2012年09月27日 セミナー

 平成24年9月12日、福岡市のホテルレガロ福岡で、第2回目となる「広域行政セミナー」を開催しました。
 当日は、約200名の方々にご参加いただきました。
 開会にあたり、吉村敏男副会長が、「我々が大きな期待を寄せていた国の出先機関改革に関する法案が、ついに提出されなかったことを非常に残念に思う。しかし、我々はこの問題をこのまま放置できない。将来の国のかたちを考えると、国と地方の大きな無駄を省くこの法案の成立こそが非常に重要である。今日の講演を通じて、新しい気持ちで前進していきたい。」と挨拶しました。

 次に藏内勇夫会長が、「極めて残念なことに、国の出先機関改革関連法案が提案されないまま国会は閉会となってしまった。そして、民主党、自民党の代表・総裁選挙が始まり、その先に衆議院の解散が垣間見えてきた。こういった社会情勢の中で、長年報道の世界に身を置いて鋭い社会分析をされ、豊富な経験をお持ちの川崎社長に是非講演いただきたいと願っていた。
 今から30年以上前、九州を一つにしたいという動きの中で、九州とアジアを結ぶ施設が必要ということで、九州国立博物館設置運動が起きた。国立博物館の誘致には、極めて高いハードルがあり、この課題をクリアするためには、世論の力が必要であった。当時のマスコミの皆さんにも大変協力いただいたが、中でも西日本新聞の皆さんには社を挙げて国立博物館の誘致の必要性を説いていただいた。今回の分権型社会、明治以来の大改革になると思うが、今の日本を考えると、どうしてもこの問題を進めていかなければならない。是非、福岡県民、九州の皆さん方の意識をさらに高めていただくためにも、マスコミの方に御支援・応援をいただきたい。本日のセミナーが、今後我々が推し進めていく地方分権の運動の大きな糧となることをお祈りする」と挨拶しました。

 来賓として、松本國寛福岡県議会議長が、「国の出先機関の原則廃止は、民主党の国民との約束であり、出先機関の事務権限を地方へ移管することや、さきの国会に法案を提出することは政府の方針となっていた。九州議長会でも法案の提出を政府にお願いし、また、広域行政懇話会を設置して議論を深めてきた。しかし、出先機関改革関連法案は、政局の混乱で国会が空転したことや、一部の市町村長に加え、国会議員などから慎重な意見が出されたこともあり、先の国会への法案の提出がなされなかった。九州をはじめとする地方からの強い働きかけにも関わらず、法案の提出すらなされなかったことは誠に残念であるが、福岡県議会としても広域行政推進に向けて、市町村はもちろん知事会、議長会とも連携を密にして進めていきたい。」と挨拶されました。

 次に、小川洋福岡県知事は、「九州の自立を考える会は、県議会が党派を超え、また民間の団体も入って広域行政の推進に取り組まれている全国でも初めてのことだと思う。多くの注目を集めている。
 国の出先機関の事務・権限を地方に移譲する根拠法案が提出されないまま通常国会が閉会となったことは、極めて残念である。政治の強いリーダーシップのもと、国が責任を持って次期臨時国会へ法案を提出すべく取り組んでいただきたいと考えている。私たちも、国の出先機関改革の旗を降ろすことなく、引き続き各県知事、市町村長、議会の皆様、そして経済界の皆様とも連携して政府にその実行を求めていく考えである。」と挨拶されました。

 講演では、西日本新聞社の川崎隆生社長が「地方メディアと道州制」と題し、「九州は道州制について非常に先進的な取組をしてきた。州都構想論議では地域は一つになってやるが、いろいろなところで地域間競争も起こってくる。その中で、皆が本当に合意できるかどうかが一番の問題である。
 今からの新聞・メディアがどうあるべきか。地域で起きていることをきちんと伝えていったら、新聞はきちんと経営できるし読者にも読んでもらえる。地域に入り、地域のニュースを掘り起こし、読者の獲得に取り組むことで、地域のためになる新聞なのかどうかが試されている。この九州自立の会が進められている地方分権、それから道州制を目標とする動きに対して、西日本新聞は最後まで歩調を合わせていきたい」と述べられました。

 質疑では、西原親みやま市長からの新聞社の報道姿勢についての質問に対し、「少数意見を大事にするというのが民主主義の基本であり、それが全部だという書き方はいけないが、尊重しないとだめだろう。反対派があることはちゃんと書かなくてはいけないが、世論としては多い方を抑えた上でないと意味がない」と回答されました。
 また、松本國寛福岡県議長からのインターネットによる社説等の提供についての質問に対し、「インターネットの社説を読む人が多い。社説は重要である。もう少しきちんとした社説を書き、新聞社は何を考えているかを示さなくてはいけない。これだけ決めなくてはいけない政治などと言われ、選択しなければならない中、今からは新聞がどう考えているのかをはっきり答えを出さなくてはいけない。地方分権は、非常にわかりやすく我々にとって胸を張れるテーマである」と回答されました。

 閉会にあたり、井本宗司理事が、「九州府を2016年に実現しようという九州市長会の構想があり、(井本理事が市長を務める)大野城市では、九州府になったときの研究や議論をしている。我々地方はもう準備ができている。我々はどう自立していくかということで、市長会も町村会も頑張っている。いつ東南海地震などで首都圏が崩壊するかもしれない。国はまずそこの準備をやるべきではないか。今、我々は地方分権と一緒に、首都機能のバックアップについて次の世代のために考えるときに来ているのではないかと思う。これは、一自治体の長ではなかなか難しいが、自立の会には素晴らしい方々がおられるので、少しでも前に進むのではないかと思っている」と挨拶しました。

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