活動報告

広域行政セミナー(第5回)を開催しました

2013年12月27日 セミナー

 平成25年12月2日、ホテルレガロ福岡(福岡市)において、第5回広域行政セミナーを開催しました。当日は、本会会員である九州各県議会議員や企業関係者など約300名の皆様にご参加いただき、国際化をキーワードに九州経済を展望しました。

 開会にあたり、吉村敏男副会長は「衆参両議院で地方分権の推進に関する決議がなされて20年が経過したが、この間の目立った成果といえば、機関委任事務制度の廃止くらいしか思い浮かばない。しかし、我々がこの会をつくり、国と地方の役割分担見直しや二重行政の無駄排除等を目指す活動を展開してきたことに間違いはなく、これからもその実現に取り組んでいきたい」と挨拶しました。

 次いで、主催者を代表し、藏内勇夫会長は「国の統治機構を変えていくというのは難しいし、時間がかかるが、3割自治とも言われる日本の地方自治制度を変え、地方が自ら努力して地方で決めるべきことは自らの責任で決めていくことが最も国益につながるという思いで活動してきた。国の進める地方分権改革の動きが一部に心配を与えていることも承知しているが、我々はそうならないようにやっていくし、そういうご心配をいただいている方々にもこのセミナーに多数ご参加いただいたことを大変心強く思う。今日の九州経済の国際化をテーマにした講演を拝聴し、国際化に向け九州が一体となった成長戦略、最近でいうとJR九州『ななつ星in九州』のような、九州各県の特長を活かした九州の成長戦略を研究し、九州の一体的発展そして自立に向けた取り組みを進めていきたい。そして輝かしい日本をつくっていくための地方の役割というものをしっかり捉えていきたい」と挨拶しました。

 当日は、来賓として松尾統章福岡県議会議長、小川洋福岡県知事にご出席いただきました。

 松尾統章議長は「『九州』を意識した最近の議会活動として、燃油高騰対策による農林水産業への支援や東九州自動車道の早期整備など、九州が力を合わせてこそ前進させ得る問題について政府に提言したり、九州が一体となって欧州で初の試みとなる九州観光プロモーションを行ってきた。JR九州の『ななつ星in九州』は、世界をマーケットに更なる成功をおさめる良い例となりうる。また、県議会でもたびたび取り上げられる人と動物のさまざまな共通感染症問題、この、まさに九州が一体となって動かなければならない課題について、藏内会長が会長を務めておられる日本獣医師会と日本医師会が11月に包括提携を締結されたこと、そのリーダーシップに敬意を表したい」とご挨拶いただきました。

 また、小川洋知事からは「地方分権推進決議が行われて20年が経過したことを契機に地方分権改革の総括と展望が議論されているので、そうした動きに積極的に参画していきたい。また、九州の官民による一体的な取り組みである九州地域戦略会議では、今年、第2期九州観光戦略を策定し、向こう10年間、観光産業を九州の基幹産業にしていくと位置付けている。九州各県が一体となって、海外からの観光客拡大に力を注ぎたい」とご挨拶いただきました。

 引き続き、九州経済産業局の星野雄一国際部長から「九州経済の国際化に向けて~ALL九州による国際化の取組~」と題した講演が行われました。

 講演では、「九州は一割経済と言われるが、IC生産や農業、自動車産業などで強い面を見せている。九州経済産業局でも、九州経済国際化推進機構の活動と連携して、九州の企業がもっと海外展開を活発化していけるよう、経済連携協定や人材教育等様々な面で支援していきたい。そのために今後必要となる要素の一つが人材教育であり、九州にたくさん来ている留学生に、この九州で就職してもらえるような取り組みをやっていきたい。九州は東アジアに近く、この地の利を生かして、九州が一体となってやっていけば九州経済の国際化はもっと活発になる」と、九州経済の発展に期待を込めた話をされました。

 質疑応答では、吉村敏男副会長からの「九州のブランド力を上げていくには、九州経済国際化推進機構や九州観光推進機構のような組織が、それぞれ縦割りで別々のロゴマークを掲げて取り組みを進めていてはいけない。統一したブランドで情報発信していくのが基本ではないか」との問いに、星野部長からは「九州観光推進機構は九州経済国際化推進機構のメンバーなので、ロゴマークの統一についてはこれからも相互に協力し合いながら進めていきたい。その際、九州統一のロゴマークとしてどういうものがいいのか、やはり使ってもらって普及することが大事であるので、その点については、経済界の方々のリードにより進めていただきたいと考えている」との回答がありました。

 最後に井本宗司理事が「今年は、福岡で海外福岡県人会世界大会が開かれた。一眼は遠く歴史の彼方にやりながら、そして一眼は脚下の実践へ向けることの重要性を改めて認識した。今日の九州経済の国際化についての講演は、未来に向けてのロマンと夢をどう実現していくかという大きな示唆をいただいた。これをどう消化するかは我々の仕事である。地方と中央にはそれぞれいろんな考えがあって利害が反するときもあるが、この会が調整役として役立つよう、これからもしっかり頑張っていきたい」と挨拶し、閉会しました。

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