活動報告

広域行政セミナー(第6回)を開催しました

2014年03月10日 セミナー

 平成26年2月26日、本会の総会後、福岡市のソラリア西鉄ホテルで第6回広域行政セミナーを開催しました。
 雨で足元の悪い中ではありましたが、今回も約300名の皆様にご参加いただきました。

 開会にあたり、吉村敏男副会長が、「セミナーに先立ち開催された総会において、西原親みやま市長から、九州の自立を考える会もそろそろ考えるばかりではなく具体的な行動に入る時期ではないのかという極めて適切なご指摘をいただいた。私どももそのとおりだと認識している。やはり地方が自ら成長戦略を考え、それを機動的に実行していくことが地方の大きな成長につながる。そこで、今秋をめどに九州が一体となって考えるべき九州の成長戦略を策定し、九州が発展していくための共通の課題として提言していきたい」と挨拶しました。

 藏内勇夫会長は、「今日はうれしいことに、福岡県内はもちろん九州各県から、県及び市町村議会の皆さんに多数ご参加をいただいた。我々は今日まで約3年間地道に活動をしてきたが、この自立の会の存在、活動内容が少しずつ九州に広がりつつあり、これならばもう一歩足を踏み込むことができる機運が高まったと、大変心強い思いである。真の地方分権は、地方が中央を支えるものでなければならない。そのためには、地方が自ら汗を流し、議論に加わり、責任を持つことが大事である。我々は、これまで積み重ねてきた議論等を踏まえ、ワーキングチームをつくって、九州の成長戦略、広域的政策、九州の潜在力を発揮するような政策をまとめていきたい」と挨拶しました。

 来賓からは、松尾統章福岡県議会議長が、「自立の会が募集された政策提言には九州各地から応募があったと聞いている。地域に密着している地方議員がこの九州をどのように考えていくのかということについて提言する良い機会をつくっていただいたと高く評価している。九州が自立していくためには、国に頼らず経済的に成長・発展していかなければならず、そのための基礎となる道路などの社会資本の整備は本当に重要である。人が動けば物が動き、物が動けばお金が動く。九州の西側と東側で大きな経済格差を自身でも感じている。このため九州各県議会議長会では政府をはじめ関係機関に、東九州自動車道の早期完成について提言してきた。結果、事業が大きく前進しているという報告を受けており大変喜ばしく思っている」と挨拶されました。

 次に、小川洋福岡県知事が、「九州各県議会議長会の積極的な提言活動もあって、国の26年度予算案では東九州自動車道の整備など循環型高速交通ネットワーク整備計画の前倒しが進められたところである。こうした社会資本の整備は、九州の産業、観光資源をフル活用した今後の成長戦略、さらには防災、減災対策の基盤づくりに不可欠なものである。国の予算も最大限に活用しながら、九州各県が一体となって九州の発展基盤をしっかりつくっていかなければならない」と挨拶されました。

 このあと第1回優秀政策提言表彰式が行われ、優秀賞に選考された福岡県古賀市議会の姉川さつき議員と熊本県上天草市議会の平田晶子議員のおふたりに藏内会長から表彰状並びに副賞が授与されました。次いで、政策提言審査委員会の委員を務めていただいた井上順吾福岡県議会議員、堤かなめ福岡県議会議員から花束が贈呈され、同審査会の委員長を務めていただいた谷口博文九州大学教授から、今回の政策提言公募を総括した講評をいただきました。

 講演では、国土交通省九州地方整備局の岩﨑泰彦局長が「九州の発展と安全・安心のために」をテーマに、「九州では昔から先見性を持った企業が数多く生まれている。自動車に代表される製造業に限らず農林水産業やエネルギーなど九州がアドバンテージを持っている分野は多く、これらをいかに活用していくかが知恵の絞りどころである。観光分野を先頭にオール九州での取り組みもスタートしているが、こうした取り組みを進めていくには、競争と協力・連携が必要であり、みんなが同じことをやるのは合理的、効率的ではない。九州全体の中で機能を分担して、協力するところは協力し、連携するところは連携していくという取り組みが必要である。そして、九州の国際競争力を高めていくためには基幹的インフラの強化が必要であり、そのために心を一つにして取り組んでいきたい」と述べられました。

 閉会にあたり、森下博司理事が、「セミナーには議員だけでなく、企業等の代表者や行政関係者にも多数ご参加いただいている。話題のドラマ『軍師官兵衛』の中で、家臣と民を大事にせずに遠ざければ国を失うといった黒田家の家訓が紹介されているが、まさしく現代の民主主義を通して大事な政治哲学ではないかと思う。ぜひ皆様の周辺の声を大事にして、いいかたちの県政、市政、町政を行っていただきたい」と挨拶しました。

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