広域行政セミナー(第9回)と臨時総会を開催
2015年10月27日 セミナー
開会にあたり、吉村敏男副会長が、「私たちは、ちょうど4年前の9月に九州の自立を考える会を設立し、国と地方の二重行政を解消すること、さらに、地方の創意工夫によって、地方の力による真の活性化を実現することなどを取り組んできた。この4年間で種をまき、ようやく枝が出るぐらいまでに育て、4年目には政策提言を行うまでに至った。次なるこの4年間は、これに立派な花を咲かせること、具体的に提案した各政策について一つ一つ確実に実現し、福岡はもとより九州全体の活性化を図ることが今後4年間の目標だと私は思う」と挨拶しました。
藏内勇夫会長は、「我々は4年間でいろいろな研修をし、視察を行い、九州及び福岡県の成長戦略の提言を行った。いずれも、産業、雇用の創出等の効果が大きい観光の振興であるとか、あるいは農林業や農村の振興、先端中小企業の支援等に関する政策を取りまとめたものである。これからも皆様とともに知恵を出し合い、九州を一つにまとめ、基礎自治体である市町村を振興するために、この成長戦略の実現をきちっと図っていきたいと思っている。九州の自立を考える会というミッションを立ち上げ、ビジョンを示した。これからは真の地方創生、地方の自立というグランドデザインを描き、そこに到達するロードマップを示していかなければならない」と挨拶しました。
来賓である福岡県の山﨑健典副知事からは、「昨年の10月に九州の成長戦略にかかわる政策提言をいただいたが、非常に多岐にわたる分野で、また、中にはハードルが非常に高いプロジェクトもあるが、一つ一つ関係者の合意形成を積み重ねていって、極力前に進めていきたい。引き続いてのご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げる」との挨拶をいただきました。
セミナーでは、講師である公益財団法人大阪観光局の溝畑宏理事長が、観光立国と地方創生で九州を元気にというテーマで、「九州のポテンシャルと言えば、とにかく多様性だと思う。福岡の持っているスポーツ、エンターテインメント、文化、そして、鹿児島ではエコツーリズム、自然、長崎、福岡にあります産業遺産、そして佐賀に行けば伝統的な文化と、非常に多彩で多様性に富んでいる。過去、私も各県にそれぞれ回ったが、本当に尽きることのない感動。そして、皆様の努力で、ほかのどこのブロックよりもネットワーク化が図られている。これからの10年は、非常に大きな成長のチャンスであるとともに、競争も働いてくる。ラグビーのワールドカップ、東京オリンピックなどの国際的な大きなイベントを見据えながら、まさに各地域で世界に誇れるものをどんどん生み出して、そして商品化して、ネットワークを敷いていくことで、単に観光にとどまらず、農業から製造業から、全ての産業に付加価値を生み出し、結果として、全ての産業が活性化する。九州が自立して、世界の中で大きなポジションを占める大きなチャンスが来ているということだと私は思う」と講演されました。
セミナーに引き続き、平成27年第1回臨時総会を開催し、副会長を2名とする会則改正が承認され、また、理事兼会計責任者であった原口剣生会員が新たな副会長に、また松尾統章会員が理事兼会計責任者に選任されました。
この臨時総会において、来賓として、福岡県議会の井上忠敏議長から、「昨年10月に発表されました「九州の成長戦略に係る政策提言」に深い感銘を受けている。現在、国、地方を挙げて地方創生による人口減少対策に取り組んでいる中、九州の自立を考える会の政策提言は、まさに九州が一体となって取り組むべき戦略を打ち出しており、地方創生を先取りした提言であろうかと思う。こうした一致団結の結束が大変なパワーとなって政策実現に向かうものと思うところ。ぜひ、更なる一致結束で、皆様方が今後とも発展され、精進されますよう心から念じ上げる」との挨拶をいただきました。
そして、福岡県の小川洋知事からも「昨年10月、九州の自立を考える会の皆様から、九州の成長戦略にかかわる大変貴重なご提言をいただいた。その具体化に向けた検討を今進めているところであるが、既に具体的に動き出したものもある。例えば、今年の7月に、北九州空港と福岡都心部を結ぶリムジンバスの運行を開始した。また、水素エネルギーにつきましては、移動式水素ステーションの整備を進めているところで、県庁の敷地の中に水素ステーションを整備をする工事が既に始まっている。引き続き、この提言の具体化に向け、国や九州各県などと連携し、検討をしっかり進めさせていただきたいと思う」との来賓挨拶をいただきました。
閉会にあたり、原口剣生新副会長が、「副会長として、新たに理事兼会計責任者の承認をいただきました松尾統章先生ともども、藏内会長とともに、この九州の自立を考える会のために一生懸命働くことをお約束申し上げたい。東京オリンピックやラグビーのワールドカップなどが控えている。その中で、これからこの九州、福岡がどういう形で進んでいくのか、これは、広域行政セミナー等において、私たち全員がもっともっと勉強し、一つ一つ考えていくことが必要だと思う。地方創生は国の旗振りであるが、地方の中で知恵を出していく、この九州の自立を考える会の中で知恵を出していくことが、よりよい道であると思う」と挨拶しました。
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