新年のごあいさつ~新しい経済社会システム等の実現に向けて~(平成30年1月)
2018年01月01日 お知らせ
新年明けましておめでとうございます。
昨年は、九州や福岡県にとりまして、実に色々なことがありました。まず、何といっても昨年7月の九州北部豪雨です。大変多くの犠牲者と甚大な被害が発生し、今も現地の皆様は、日常生活を取り戻せずに苦しんでおられます。改めて、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。当会といたしましても、県知事、県議会等とも連携し、一刻も早い復旧・復興に向けて全力で取り組んでまいります。また、住民の生命と安全を守ることは、公共政策の最大の目的であり、使命です。災害に強い九州の国土づくりと総合的な防災・減災のシステムづくりについて積極的に政策提言を行ってまいりたいと考えています。
一方で、うれしいニュースもありました。まず、『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群が昨年7月にユネスコ世界遺産に登録されました。今後、これに続くと期待されているのが、昨年2月に正式推薦書がユネスコ世界遺産センターに提出された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」です。また、昨年10月には「朝鮮通信使に関する記録」が世界記憶遺産に登録決定されました。関係する地域住民が大いに郷土への誇りを高め、これら貴重な文化遺産を守り、後世に継承していくことはもちろん、地域資源として観光振興等による地域の活性化に最大限に活用していくことが今後の重要な課題です。当会も、昨年実施したバルト諸国における世界遺産の保存と利活用の状況に係る調査結果等を踏まえ、この課題に関する政策提言と地域活動の支援に取り組みたいと考えています。
また、わが国が直面している最大の危機、「少子高齢化」に真正面から立ち向かい、国と地方を再び活性化させる新しい経済社会システムである「一億総活躍社会」づくり等の重責を担う担当大臣に、当会の会員である松山政司参議院議員が就任されました。昨年10月の総選挙で同じく当会会員である井上貴博、鬼木誠、金子万寿夫の3氏が当選され、引き続き九州の声を国政に届けていただけることと併せ、当会にとりましても大変な朗報でした。松山大臣並びに3氏の益々のご活躍に期待したいと思います。
当会が平成26年に行った政策提言に関しても、更に各方面の取り組みが進みました。
例えば、現在、福岡空港の運営を民間委託(コンセッション)するため、委託先が公募され、その選定手続中ですが、選定基準の中に、当会が提言していました「北九州空港との一体的運用」に向けた連携策が盛り込まれました。
「国際的スポーツ大会やそのキャンプ地の誘致」の提言についても、九州の多くの自治体が2019年ラグビーワールドカップと2020年東京オリンピックの事前キャンプ地として名乗りを上げられ、そのご努力により次々に誘致が成功しつつあります。
さらに、「九州各県等が連携して、世界に向けて『観光王国九州』のブランドを発信し、確立する」との提言についても、実現に向けた取組が始まりました。九州各県の議会が連携して「九州観光振興議員連盟」を設立し、昨年2月に開催された第1回九州観光振興大会では、九州各県・各都市の魅力を堪能できる周遊ルートを開発し、国内外の重要市場に発信すること等の決議が採択されました。また、九州各県議会議長会においても、諮問機関である九州・沖縄未来創造会議(会長長崎県議会議長)の答申を受け、「九州・沖縄が一体となった海外戦略」を決議し、ワールドカップやオリンピックの開催に向けた九州・沖縄の観光戦略の策定等が九州地方知事会等に提言されました。
今年は、これらの取組を更に前進させ、残された提言事項の実現を図るとともに、九州の現状と課題を改めて検証し、更に具体的な政策提言を行っていくことを当会の目標にしたいと思います。また、その先には、わが国の新しい経済社会システム=真の地方分権型社会の実現という大きなビジョンも見据えつつ、当会の活動をさらに発展させてまいる所存です。
会員はじめ九州の政財界の皆様、そして関係行政機関の皆様には、引き続き、当会の活動へのご理解とご支援を賜りますようお願いを申し上げますとともに、本年が皆様にとって飛躍の年となり、幸多き「戌笑う年」となりますよう祈念いたします。
平成30年1月吉日
九州の自立を考える会 会長 藏内 勇夫
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